ニンベン仲村です。
前回、バチパターンの簡単なコツを紹介しましたが、今回はバチやアミで見落としやすい中層や底層の攻め方です。
バチパターンというと、どうしても表層を流れてくるイメージが強く表層ばかり攻めがちです。ですが多くのバチは底層の砂泥から抜け出してきます。底層や中層に速い流れがあると、表層に辿りつく前に流されてしまいます。また底層と表層の塩分濃度や水温の違いなど色々な要因でバチが表層に出てこない時が結構あります。
バチが抜けずに釣れなかった
バチが抜けてるのに釣れない
バチ抜けしてて釣れたけど小型ばかり
こんな時、中層や底層をしっかり攻めてみると違った結果になることが多いんです。
前回のレポートで紹介したとおり、バチパターンのキモは「スローで流れに同調させる」こと。秋の落ち鮎と近いイメージです。産卵後で瀕死の状態で流される鮎をイミテートするとき、ルアーをブリブリ泳がせずに流れに同調させますよね?それと同じです。そのキモを意識しつつレンジを入れるには少しコツがいります。
スローにアプローチするので、ルアーの浮力が高いと浮いてしまい、ルアーが重いと沈んでしまいます。なので手っ取り早いのはサスペンドのルアーを使うこと。
◆サスペンドミノーを使った攻略
テンションが掛かりにくいドリフトやスローなアプローチでもレンジがさほど変わらないレンジキープ力がバチやアミパターンの中層狙いにマッチします。過去に実施したコラボシリーズで人気を博したセミサスペンドSSPシリーズ、その血統を受け継いだフルフロウ120SSPがそれにあたります。
また以前紹介したアストレイア99F-SSR、アストレイアシャロー99Fのウエイトチューンのように既存のミノーをサスペンドやスローシンキングにチューンするのも大いにアリです。
キャストしたらミディアムでグリグリと巻いて任意のレンジまで入れたら、デッドスローもしくはリトリーブを止めて、一定のレンジをドリフトさせます。バイブレーションのカウントダウンと同じ要領で着水後のリトリーブを3回、5回、7回と変えることでドリフトさせるレンジを変えて探っていきます。
飛距離はシンキングペンシル(以降シンペン)に劣りますが、抜群のレンジキープ力が魅力です。またシンペンではレンジキープしにくい速い流れに対応しやすいのもサスペンドミノーのメリットです。
ではバチ・アミパターンの中層以深を探る際のシンペンのメリットは何でしょう?1つは先ほど触れた飛距離。もう1つはレンジの自由度が高い事です。長所は短所の裏返しと言いますが、シンペンはレンジキープが難しい反面、アングラー次第でルアーを浮き上がらせたり、沈めたりと流すラインを3Dにコントロールできるのです。
◆シンキングペンシルを使った攻略
止めると沈み、巻くと浮き上がるシンペンでレンジキープをするには、沈む力と浮き上がる力のバランスを取る必要があります。
難しく感じるかもしれませんが、流れが無くてボトムが平らだと仮定した場合、シンペンを底まで沈めてから超デッドスローで巻いてみます。ルアーが底から離れずズル引きになるようならリトリーブスピードを少しずつ上げていきます。
底をすらなくなったスピード=「そのシンペンがほぼレンジキープするスピード」となります。重要なのは、その時のリールのハンドルを回す速さではなく、引き抵抗を覚えておくこと。その引き抵抗を覚えておけば流れやラインスラッグの要素が加わってもレンジキープする感覚は変わらなくなります。
前回のレポートでも触れましたが、重いシンペンは沈む力が大きいためレンジキープするには結構な速さでリトリーブする必要があります。そうなるとレンジキープは出来ても「スローで流れに同調」から離れてしまいます。バチやアミパターンで中層をシンペンで狙うときはドリフトペンシルシャローなどの軽め、もしくはバロール90のように浮き上がりの速いシンペンを使うことで「スローで流れに同調」させることが可能になります。
文字にすると簡単ですが実際にやってみると結構難しいと思います。重要なのは水中をしっかりイメージすること。
上から見たイメージ図
横から見たイメージ図
①アップクロスにキャスト
②~③カウントダウンで沈める。
水中のラインスラッグが出過ぎる時は少し巻くのもアリです。
④ルアーが任意のレンジまで入ったらリトリーブを始めます。
覚えた引き抵抗と近ければレンジをキープできます。
⑤ルアーがダウンクロスに入りターンする。
ターンするタイミングで引き抵抗が変わります。リトリーブを緩めたり、止めたりして流すレンジをコントロールします。
⑥ルアーが完全にダウンに入る
少し流して回収します。
バイトが出やすいのはルアーの向きが変わる⑤の前後です。
イラストでは自分より下流側でターンしていますが、慣れるまでは自分の正面でターンする方がやりやすいかもしれません。流れの速さや沈めるレンジに応じて着水点を調整してみてください。また、ブレイクなどの地形変化で⑤のターンが起きるように着水点を調整するのも重要だと思います。流れの強さや狙うレンジによってシンペンの浮き上がりの速さやウエイトを使い分けます。
先日、前田プロの取材に同行した時にこのパターンで連発させてもらいました♪
夏秋のランドラゴの「ノーテンションの流し」の応用で、少しテンションを掛けるイメージですね。どちらも流れてくるベイトを捕食しているシーバスが相手ですから当然といえば当然ですが(笑)
車にたとえるとサスペンドミノーはオートマ、シンペンはマニュアルといったとこでしょうか?
どちらにせよ、この時期に見逃されがちな中~底層を攻める事で魚に出会える確率がググっと上がるので試してみてください!