REPORT

【ニンベン修行記】Vol.69 デイライトフラッシュ

以前サンライズチャートというカラーについてレポートを書きましたが、今回は上下がクリアのカラーについてご紹介したいと思います。

 

人気のリアルキビナゴなどのサイドにホロが貼ってあり、上下がクリアになっているカラー達。いまでは多くのメーカーに採用されていますが、10年前は殆どなかったカラーです。前担当のヒデ林さんが考案したカラーだと私は記憶しています。元は干潟などの澄潮で効果的なクリアにホロの効果をプラスオンしたそうで、「昔はルアーの背中と腹の塗装をカッターで削って作っていた」と話してくれました。

そして、このカラーが広く知られるようになったキッカケを作ったのが#18デイライトフラッシュというカラー。

 

デイライトフラッシュは私がエクリプスに加わった頃は「まかないカラー」と呼ばれていました。

スタッフがスライトエッジ90をテストで使用するのに「ホロだけは欲しい」と言うことで、クリアボディに銀のマグマホロを貼っただけで目玉すら貼られていない即席カラーだったんです。まさに飲食店の従業員の食事=賄い飯(まかないメシ)です。

しかし、これが超釣れたんです

その場しのぎの即席カラーがいつのまにか主力カラーに(笑)
しかしスタッフ陣がいつまでも即席カラーを使う訳にも行かない・・・という事で、目玉を貼って限定カラーとして発売したのが「デイライトフラッシュ」なんです。

限定カラーが完売後も再販要望が絶えなかったため、スライトエッジ90の定番カラーにホロを変更した#38デイライトスパークが追加されたり、シャロースライト90に#060デイライトオーシャンがラインナップされました。

#038デイライトスパーク

#060デイライトオーシャン

 

本家のデイライトフラッシュは、その後発売するヘビースライト95ミニスライト75パワースライト85キールバイブ75といったバイブレーション、さらにはドリフトペンシルシリーズの定番カラーにも採用され、エクリプスを代表するカラーの1つなりました。

リアルキビナゴはデイライトフラッシュよりもカラー番号が若いのですが、これは発売した順なんです(笑)その他にもナブラピンクキャンディ、フルフロウ120Fで復活したリアルマイワシなど、クリア+カットホロの派生カラーが登場し、現在に至っています。

 

さて、デイライトフラッシュの歴史をご紹介したところで、「このカラーがなぜ釣れるのか?」を自分なりに考えてみました。

①フラッシング
上記のデイライトフラッシュを採用したルアー達は、平面で構成されているルアーが多く、その面とシンプルな銀のホロが相まってギラギラと強烈なフラッシングを産みます。このフラッシングは遠くの魚にもしっかりアピールしてくれます。

②透過光
そして上下のクリアによる透過光も重要な要素だと考えています。シーバスがルアーを追尾したり、捕食の体制に入った時のポジションはどこでしょうか?

結構な確率で、図のようにルアー後方の下側、もしくは真下になるはずです。そこがベイトフィッシュの死角なのをシーバス達は知っているのです。

この時、上方向から太陽光や常夜灯などの光が射していたらどうなるでしょう?

シーバスの視点で写真を撮ってみました。

左がデイライトフラッシュ、右がグローボラです。

デイライトフラッシュが光を透過しているのが分かると思います。この透過光がルアーのアクションに伴ってチラチラと見え隠れするのです。

ギラギラしたフラッシングに誘われて近づいてみると、チラチラの透過光で見切れない

これが私が考えるデイライトフラッシュの「釣れる理由」です。もちろんリアルキビナゴなどの派生カラーも同様の理由だと考えています。

こう考えると、クリアが絡むカラーを使う時に光の有無、魚に対しての光の角度など、新たな要素を気にするようになったり、カラー選択がディープに楽しくなります。

 

皆様も自分の実績カラーを分析してみては如何でしょうか?

近しいカラーで検証することで釣れる理由が見えてくるかもしれません。