REPORT

ヒデはやしの部屋 Vol.4


新年明けましておめでとうございます。
みなさま寒い寒い日々いかがお過ごしでしょうか?

ようやく発売になったエクリプスの異端児ロッド“VX93MML
そのケブラー素材の希少さゆえ、150本しか作れなかった幻のシーバスロッド。

今回は汎用性の高い9.3ftの1機種のみという徹底的な“規格外品”ぶり。

イメージとしては9ftのMHクラスのブランクに0.3ftのソフトティップをつなげたファーストテーパーな仕様が特徴的だ。んじゃ。なぜこんな特殊なロッドに行き着いてしまったのか?今回はそのバックストーリーをご紹介しましょう。

◆ファーストテーパーによる多角的戦略◆
(対ボトム戦)
シーバスを狙う場合、表層はきっちり、中層はなんとなく、
ボトムはおそるおそるというアングラーの方、手を挙げて!!

実際にフィールドに立つと、表層〜中層はプラグの持つ潜行能力を使い分けるだけでレンジをきっちり刻める便利な時代になりました。んで、問題はそれで反応がない場合。

ボトムズル引き、ボトムを叩く、ボトムをトレース、ボトムをドリフトとアノ手コノ手を繰り出すのですが、ここが腕の見せ所。しかもシーバスが好むのは根掛かりの心配のないヘドロ底でなく、ゴロタや牡蠣ガラ地帯等ハードで複雑な地形が多いのも現実。

つまり、シーバスのいそうなポイントほど、ボトム攻略では根掛かりする確率も上がるのです。

そこでファーストテーパーロッドの登場。
そもそもロックフィッシュやエギングロッドなどではしっかり底をとる必要からこのファーストテーパーモデルが主流となっていますが、シーバスも同じと考えたわけです。というかテストを頻繁に繰り返していた旧江戸川の牡蠣ガラ地帯は嫌になるくらいの根掛かり多発地帯。スライトエッジがいくらあっても足らない地獄テストの日々。

ここでしっかりボトムをとって、瞬時に底を切る・・・こんな芸当ができるロッドが鍛え上げられたのです。

みなさんが泣かされがちなハゼパターンをはじめ、ボトムズル引きのカニパターン等、従来やらなかった方法が実はその日のハマリパターンであることも。

タダ巻きで釣れない・・・
そんな時こそボトムを攻めましょう。

しかも河川ではボトム付近にあたたかい海水層が流れるため、大型のサイズが付くのも必然的。
表層は中小型で沈めたらドカンとランカーが出た・・・というのもあながち偶然ではないのです。

バスでいうところのクランクベイトやラバージグのような『ボトム攻略用のルアー』はシーバス用ではまだ存在しません。

しかし、ロングビルミノーをサスペンド仕様にウェイトチューンしてボトムにあててイレギュラーアクション⇒止めてゆっくりとドリフトなんてメソッドがランカーに非常に効くのも事実。またバイブレーションで砂煙をあげながらエビやカニを演出する。何を投げても反応しない個体を口をつかわせるドリフトメソッドやフォールメソッドをランカーの口元で行なう・・・。
まさにこんな状況こそファーストテーパーロッドの真価が発揮されるのです。

根掛かりしても瞬時に外せるレスポンスの速さ。

これがVX93MMLに隠されたもうひとつの顔なのです。
ぜひ体感してみてください。