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【スペシャルレポート】ドリフトペンシル開発経緯Vol.1

ご無沙汰しております。井上友樹です。

私はすでにプロアングラーを引退しており、開発者として本当に良い商品を作り出す事に精力を傾けています。

エクリプスでは長年プロスタッフとしてお世話になっていましたが、今はスペシャルアドバイザーとして開発面でお手伝いさせて頂いています。

そんな私のルアー作りの大きな転機となったのがドリフトペンシルというルアー。

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ジャンプライズでも複数のシンキングペンシルを発売しています。ドリフトペンシルとはコンセプトや目指した能力が異なりますが、今でも声を大にして言えるのは

「喰わせの力はドリフトペンシルが最強」

という事です。

 

この秋にドリフトペンシルがリニューアルしたので、今回は当時の開発経緯とコンセプト等を改めてお話しようと思います。ルアー開発の経験が格段に増えている今なら当時と違った解釈になっている可能性もありますがお付き合いください。

 

 

ドリフトペンシルの開発を開始したのは2008年。

 

その頃のシーバスゲームにおいてシンキングペンシルはすでに市民権を得ていました。

しかし、それは主に河川や港湾、干潟といったフィールド。私の主戦場である磯では「シンキングペンシルは使えない」と言われていました。

プロアングラーとして試行錯誤していた私は「シンキングペンシルの可能性」を求めて、磯で使い込んでみたのです。

 

すると、当時の評判通り風や波への耐性が低く、少し荒れると使い物になりませんでした。しかし「上手く使うと非常に釣れる」という事が分かってきたのです。

 

この「上手く使う」というのが「水中を漂わせる」事と「沖の回遊個体の攻略」でした。

ミノーなどの直線運動でななく、弱りきったベイトのようにフワフワと漂わせると磯のマルスズキ、ヒラスズキともに非常に効果が高かったのです。しかもスレた時ほど効果が高かったのです。

またミノーと比べて飛距離が出るシンキングペンシルを用いる事で、磯際に着く魚だけでは無く沖の流れを回遊する魚を攻略可能になりました。この発見のおかげで当時、キャッチ数が大幅にアップしたのを良く覚えています。

 

そこで、食わせの力を磯でも発揮しやすい・・・言い換えると「磯でも使いやすいシンキングペンシル」というコンセプトで開発を開始したのです。

 

Vol.2に続く