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KEINONレポート Vol.3 カーボンソリッドティップの欠点

ケイノンスタッフの田辺です。
前回のレポートで紹介したように、KEINONテウシーダは極小のアタリを感じられ、ビタ止めができるように極柔カーボンソリッドティップを採用しました。

その恩恵で、張りを持たせつつアタリを取りやすいアクションになったのですが、同時にカーボン素材特有の高反発性がアタリのタイミングを短くしてしまいました。

細かく説明すると、着底後タタキを入れスッテをビタ止めするとすぐにポンポンとアタリが出るのですが、ティップの戻りが速いためアワセのタイミングが非常にシビアになってしまうのです。

 

グラス素材は大袈裟に言えば、ティップがポンッと入るとしばらく戻ってきません。一方でカーボン素材はティップの入りは他の素材と同様に素直なのですが、ティップの戻りが明らかに早いのです。感覚的に表せば、両素材を同じ条件で引っ張ると、グラス素材が1に対しカーボン素材は0.6位のタイミングで戻ってくるのです。

リアクションで触ってくるバイトは総じて一瞬です。その一瞬を掛けにいくのがゼロテン釣法なのですが、ティップの戻りが速いと反応できないことが増えていきます。

ガイドの数を増やしティップ部の重量を増して反発を軽減したり、テーパーをスロー気味に調整したりといろいろと試みるも期待するほどの改善が見られない中、新たな着眼点として発見したのが「グリップテンション」でした。

 

ゼロテンションをキープする為に、ティップを上下させるようにグリップをしっかりと握って操作を行なっていると、どうしてもティップ部に力が入ってしまいロッド全体の特性を活かす事が出来なかったのです。

これが、カーボンソリッドティップの良さはそのままに欠点を克服するヒントとなったのでした。

次回に詳細を説明したいと思います。

 

KEINON report.01 ゼロテンロッド誕生の経緯
KEINON report.02 カーボンソリッドティップという選択

KEINON report.04 グリップテンションという発想
KEINON report.05 グリップテンションの更なるメリット
KEINON report.06 ゼロテンロッドのウエイトバランス