マニアックなヒデはやしの部屋も第三弾
前回、個人的なシングルアシストシステムについて序章ということで軽く触れました。
今回はその真髄に触れてみましょう。
前回を見てない方はコチラをチェック
フックの基本
シングルアシストって?
「シングルフック 野望編」
【装着法】
ここでようやく装着法です。これを守らないと威力が半減します。
フックをベリーアイに装着するのだが、フックのゲイプ部(ふところ)がルアーの後端より後ろにくるようにするのが最重要となります。
これにより、シングルフックの宿命となるフックを背負った状態になっても、リーリング中にフックが後ろにすべり落ちて、もとの正常な位置に戻るのです。よく、中途半端に短いアシストフックを装着している方を見かけますが、アクション中に背負ってしまい、それが外れないため、せっかくのバイトも見逃してしまうことになるのでご注意を。
【アシストフックの利点】
◆アクションごとの利点
《まずはタダ巻き》
テールフックが排除されているので、タダ巻きでアクションが大きくなります。言い換えれば通常よりスローリトリーブでもしっかりとアクションをするのです。低水温期の低活性なときや、バチやマイクロベイトなど動きの遅いベイトに反応している時にじっくり攻めたい時には非常に重宝します。
《ジャークによるスライド》
ディゲームや明るい港湾部では多用するスライドアクション。
プラグで行うとフックとラインが絡まりやすく、テーリングしてしまうのが厄介。しかしシングルフックはフックポイントが1個なので圧倒的に絡まりにくいのが特徴。フックに絡まっても一周してまたもとのポジションに戻ることも多いのです。
またスライドアクションはルアーの移動距離が長く、魚がフックを捕らえられずミスバイトが多発する状況でも、フックの自由度が高いのでしっかりとフックを吸い込んでくれるので、ワインドやスライドアクションのほかに、トップウォータープラグなど連続して左右に激しく動かす場合でも、深いバイトでフッキングします。
《ショートトゥイッチによるヒラ打ち》
ダウンショットリグのように細かくティップをシェイキングすることで、ベイトフィッシュが死ぬ間際の痙攣のような小刻みなフラッシングを出すワザ。トリプルフックで激しく行なうと、ベリーフックが背中に回って、ラインを拾うことも多いが、このシステムであれば拾ってもまた元の位置に戻りやすいので、安心してアクションを連続させたり、組み合わせたりと多様な攻めが可能。
一回のキャストで早巻き→スライド→ヒラ打ちという複合ワザも繰り出せるためバイトが出たときには非常に嬉しいものです。
《ドリフト》
ラインテンションを極力失った状態で流していくナチュラルドリフトは春のバチ抜けや秋の落ちアユの時期に効果が高い必修科目。
しかしド派手に魚がバイトしてきてもテンションが掛かってないだけに、浅掛かりやミスバイトが多いのもしばしば。これを勝手にフッキングに持ち込んでくれるとくれるシングルアシストを使わない手はないだろう。
しかし、ドリフト時には微妙な浮き姿勢や浮力の増減がバイトに影響を及ぼすことが多い。トリプルフック装着時と比べながら、スプリットリングの大きさや個数で浮力や沈降速度を調整しよう。
◆根掛かりしにくい
三方向にフックポイントが突き出しているトリプルフックにくらべ、一方向にしかポイントがないため、すり抜け効果が高い。とくに雨後のゴミが流れている時や、春の桜の花びら、台風後の海草が舞っている状況などでは手返しの回数が大きく変わる。またクラゲやボラ絨毯の下に定位するシーバスを狙う際にも、厄介なボラスレを極力回避して、本命バイトだけを拾うことも可能となる。
しかも万が一のミスキャストでロープやストラクチャーに絡みついたときには焦らずテンションを緩めたり張ったりすることを繰り返すと奇跡的に取れることもしばしばあった。
◆バレにくい
アシストフック最大の利点がこれ。バレ易いメタルジグで爆発的に普及した点を考えれば、その効果の高さは保証付き。いままで、防波堤やテトラ帯などの足場の高いところではエラ荒いを封じ込めることが難しく、おっかなびっくりのファイトが主流でした。しかし、足元にテトラが沈んでいたりハエ根が張り出しているポイントでは、ラインブレイクの可能性も高い。この微妙な状況でも強気なファイトでエラ荒いされてもバレずに一気にランディングまで持ち込めるのです。
【アシストフックの欠点】
◆耐久性
ここまでいいことずくめのシングルアシストですが、所詮エサ用のフック。フックポイントが鋭い=細いため、岩やボトムに擦れるとすぐに丸まり、ポイントが甘くなる欠点があります。また、サビやすいので、複数回にわたる使用の場合には、サビの発生に要注意。コレを回避するにはフックコートやシャープナーなどを用意しておこう。
◆ケブラーの長さ
長い場合はともかく短い場合には大幅に利点に制限が出てしまうため、市販品ではルアーのサイズによっては対応できないケースもあります。
しかし、もともとアシストフック自体はアングラーが簡単に自作できるもの。ケブラーと好みのフックを使ってどんどん自分だけのオリジナルアシストフックを作成、自分だけのパターンを開拓するのもおもしろいと思いますよ。
まぁ、つらつらと書きなぐりましたが、今現在、個人的にこんなことを考えてシングルアシストを使ってます。次回は実戦における使用例でも解説してみましょう。