REPORT

【ニンベン修行記】Vol.64 明暗の原理と攻略(後編)

スタッフのニンベン仲村です。

シーバスのポイントとして広く知られている明暗部
その原理と平面の攻略法を前編で紹介しました。

少し時間が空いてしまいましたが、後編では明暗のレンジ攻略を紹介します

 

まず明暗のレンジ攻略について超重要なのが

「光の角度を見る」こと

人間は目に見える物で判断しがちなものです。

自分もそうでしたが、明暗の境が水中で垂直になっていると考えていませんか?

これが大きな落とし穴なんです。

多くの明暗部で、光は垂直では無く斜めに水に差しこんでいます

特に橋においては、その上を通る人や車の為に灯りが橋の内側を向いているのでこの傾向が強いです。

そんな光が斜めに水に差しこむ場所では、明暗の境い目も水中で斜めになっているんです。

下図のように真上から見た場合、表層とボトムで明暗の境の位置が違うんです。

つまり、シーバスがボトムや中層の明暗の境に着いている場合、アングラーから見えている(水面の)明暗の境よりも上流に居るんです。

光の角度が浅ければ浅いほど、この傾向は強くなります。

前編のレポートで、「いきなり明暗の境にルアーを通すのはもったいない。」と書きました。シーバスが中層やボトムに居る時に、ルアーをアングラーから見えている(水面の)明暗の境を通してしまうと効果的にアピールできません。「最初は明暗の境から離れた場所を通す」というのをオススメする理由はココにもあるんです。

 

そんな明暗のレンジ攻略ですが、レンジを刻むのにいくつかのアプローチがあります。

①ルアー自体の潜航レンジで探る

②シンキングのルアーでレンジを探る

 

それぞれを簡単に説明します。

 

①ルアー自体の潜航レンジで探る

この図のように、それぞれのルアーの潜航レンジをベースに探っていきます。

最初のうちはコチラの方法がオススメです。その理由は、ルアーの最大潜航レンジが決まっているのでリトリーブスピードや流れの速さが変わってもレンジがボケにくいのと、ルアー自体のレンジキープ能力が高い事が多いからです。

それぞれを同じ使い方をしても、潜航レンジによってルアー自体がオートマチックに違うレンジを探ってくれるんです。

 

②シンキングルアーでレンジを探る
シンキングミノー、シンキングペンシル、バイブレーションなどを使ってレンジを探っていく方法ですが、こちらは①より難易度が上がります。

当然ですがシンキングなので巻くスピードが遅すぎれば沈んでいきます。シンキングミノーなどはフォールが遅くレンジキープもしてくれますが、シンキングペンシルはリトリーブや流れ次第で浮き上がったり沈んだりと、レンジコントロールが難しいんです。

特にシンキングペンシルは流れの速さや狙うレンジに応じて、重量や浮き上がりの違うシンキングペンシルを細かく使い分ける必要が出てきます。

そんな面倒くさそうなシンキングルアーによるレンジ攻略ですが、当然メリットもあります。それはフォール、シンキングペンシルの浮き上がり、バイブレーショのリフトなど、フローティングプラグでは難しい「縦の誘い」がしやすい事です。

ルアーが上昇する動きは=ベイトの逃避アクション、フォール=弱ったベイトの動きをイミテーションしてくれるため、水平方向の動きに反応しない時に口を使わせられたり、リアクションバイトを誘発する力があります。

そしてレンジが下がった状況や、喰い渋って捕食範囲が狭くなったシーバスの口元にアプローチ出来るのもシンキングならではの強みです

 

①②どちらの方法でも、狙うレンジまで潜るorフォールするまでの距離を考えて、水面に見えている明暗よりも上流側に着水させる事になります。

ボトムの明暗を狙う場合、水深にもよりますが、上の図のように明暗の見えている境い目よりもかなり上流に着水させる事になります。

「あの人、やけに明暗の上流側にキャストしてるな…」

なんて思った事ありませんか?そのカラクリがコレなんです。

前編の平面の話と、今回のレンジを組み合わせて考える事で釣果はググっとアップするはずです!明暗を攻略してハイシーズン後半戦を満喫してみてください!