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【ニンベン修行記】Vol.61 明暗の原理と攻略(前編)

ニンベン仲村です。

台風が通過しましたが、皆様お怪我や被害等は大丈夫でしょうか?

秋のハイシーズン真っ盛りという事で、誰もが知っている好ポイント「明暗」を掘り下げたいと思います。

シーバスのポイントとして広く知られている明暗部
川に架かる橋や、常夜灯などが作りだす一級ポイントです。
今回はこの明暗を分析してみようと思います。

 

室内ですが1つ実験をしました。

ブルーバックのランドラゴ90Fをシーバスに見立てて、光の当たる明るい場所と暗い部分に置いて写真を撮りました。
左が本来の写真、分かりやすくするためルアースタンドを画像編集で消したのが右側です。

これが疑似的ですが、ベイトからみた視点ですね。

明るい場所にある手前より、奥の影の部分にある方が見にくいのは一目瞭然。光量が少ない夜間は、もっと顕著になるはずです。

 

つまりシーバスは暗い部分に身を潜めていれば、ベイトに気付かれにくい&外敵からも見つかりにくいというメリットがあります。

 

今度はシーバスの視点で写真を撮ってみました。

上の写真の、奥のルアーの位置にカメラを置いて写真を撮りました。
※カメラの設定は変えていません

逆光ですが、ベイトに見立てたスライトエッジ90がくっきり見えています。

つまりシーバスにとって、「暗部はベイトには気付かれにくく、自分はベイトが良く見える」という非常に捕食しやすいポジションと言えます。

 

ベイトとシーバスの視点で考えると、明暗部が釣れる理由が見えてきましたね!

 

そして少し話がズレますが、ホロとクリアカラーの見え方が全然違うのも面白いですよね!!

この写真のように逆光になるようなシチュエーションだと、クリアとホロで魚の反応が変わるのも納得できます。ウエイトが少ないルアーであれば、ルアーサイズを小さくしたのと同じような効果が見込めるかもしれませんね!

 

 

さて明暗部の原理を理解したうえで攻略に移りたいと思います。

 

まずは、レンジの概念を取り払ってシンプルに平面で考えます。

 

明暗部を狙う時に、いきなり明暗部に投げ込むアングラーを見掛けます。間違いではありませんがもったいない可能性があります!

 

シーバスは群れでいる事が多い魚です。その群れのど真ん中でヒットさせたら他のシーバスはどうなるでしょうか?

当然、警戒して散ってしまったりレンジを下げてしまいます。

群れから離れた場所でヒット&ファイトが出来れば、他のシーバスに不要なプレッシャーを掛けずに数が伸ばせる可能性が高いんです。

 

では、どうしたら群れから離れた場所でヒットさせられるのでしょうか?

キーワードは「活性です。

シーバスの活性が高ければ、明るい場所まで飛び出して行って捕食します。逆に活性が低いと、危険を冒してまで明るい場所には出て行かず、明暗の境や暗部でしか捕食しなくなります。

 

①最初は明るい場所にルアーを通す。
具体的には明暗の境から1mほど離したラインを通すイメージです。

これでバイトが出ればシーバスは高活性の可能性大です!
次も明るい場所を狙って数を伸ばしましょう!!

シーバスから離れた場所にルアーを通すため、アストレイア127Fハイビートや、ランドラゴ120Fのように波動が強めだったりボリュームがあるアピールのあるルアーがオススメです。

明るい場所にルアーを通してバイトが出なくても、暗部に居るシーバスはルアーを確実に見ています。(ココ重要です)わざわざ明るい場所に出て行って捕食するほど活性が高くないだけなんです。

 

明るい場所を通しても反応が無い、もしくは数匹釣ってバイトが遠のいた。この段階で初めてルアーを明暗の境に近づけていきます。

 

②トレースコースを明暗の境に近づける。
この時注意したいのは「シーバスはすでにルアーを見ている」事。カラーやサイズ、アクションなどを変えてみるのも効果的です。

活性の度合いで、少し近づけただけでバイトしてくる場合もあります。なるべく暗部~遠い場所でヒットに持ち込めると数を伸ばしやすいです。

これで反応が無ければいよいよ明暗の境です。

 

③明暗の境を通す
①②でバイトが無い、バイトが出なくなっている、という状況なので、シーバスの活性は低めと考えられます。

アストレイアシャロー99Fなどのロール系アクションやドリフトペンシルなどのシンキングペンシルをはじめとした大きく水を押さないナチュラルなアクションがオススメです。

この時、ただ明暗の境を並行に通す以外にもラインを先行させて明暗の境でターンさせたりと、色々な通し方をするとバイトが増えると思います。

④暗部を通す
①~③でバイトが出なければ、明暗の境より奥、つまり暗部に流し込んでいきます。
基本的に、この時点では魚の活性が低い事が多いので、大きくアピールさせるよりも③同様にナチュラルなアクションのルアーでナチュラルに流し込んで行く方が実績が高いように感じています。ライン先行のドリフトを覚えると非常に心強いんです!

私の経験上、よっぽど条件が良くなければ大型はこのポジションで釣れる事が多いです。暗部の橋脚などに絡めて流し込んでいきます。

 

もちろん、魚の数が少なく明るい場所に数投する事でプレッシャーを掛けてしまう場合もあるので、一概には言えません。

ただ、このような想定をすることで釣果を伸ばせる可能性が高いので、是非意識してみてください。

今回は平面の話をしていましたので次回はレンジの話をさせて頂きます。

明暗の原理と攻略(後編)