REPORT

ヒデはやしの部屋 Vol.6[春季集中講座]後編


春季集中講座 苦手科目克服シリーズ

『ボトム攻略』後編

前回は皆様が苦手としているボトム攻略について自分なりの考え方と攻略法をお話ししました。
今回はそのボトム攻略で有効なシャロースライト90とゼクスライド90の特徴と使い方を説明していこう。

【シャロースライト90】

この春発売になった、スライトエッジ90の進化系。
シャローでの使用を前提に設計されており、ノーマルのスライトエッジに比べフォールがスローになっているのが大きな変更点だ。

基本はリフト&フォールであるが、ロッドをチョンと煽って軽くスライドさせて魚の目をひきつけておいて、カーブフォールでじわじわとスローフォールさせて食わせるのがコツ。

それでも食わない時はチョンっと煽るのを連続で行う
これはワインドのような、食うに食えない状況を作り出し、広範囲の魚を引き寄せて焦らせる効果を生む。
この後に食わせるためのカーブフォールを入れることでしっかりとバイトにつなげるのだ。

また、ロッドアクションが苦手な方はリトリーブの速度変化だけでも効果がある。

早巻きにところどころスローリトリーブやストップによるカーブフォールを入れることでバイトを引き出せる。
ただし、ここで注意したいのはスローアクションやフォールの時間はあまり長くとっても意味がない。
せっかくついてきた魚が見切ってしまったら元も子もないのである。
長くても数秒程度に抑えて次の動作に移るのが効果的だ。

【ゼクスライド90】

もともとバイブレーション的考察から作られたシンキングペンシル。
一定のレンジをトレースしやすいように背中にアイが設けられ、水深のあるところでも浮き上がらずに中層やボトムを攻略できる。

このゼクスライド90を得意のシングルフックチューンにするのが最近のハマリパターン。
年末の高知を始め、各地での取材でいつもギリギリの状態で1本を引き出してくれる自分の最終兵器となっている。

今回はこのゼクスライド改についてさらに詳しく説明していこう。

まず用意するのがシングルフックを装着したゼクスライド90。

これを先のシャロースライト同様に運用する。
このときの利点として

●激しいアクションでもエビにならない
ため、ワインドのような左右のダートアクションで広範囲にアピールできる。

あらゆる方向からのバイトに対応できる。
とくにボトム付近ではルアーの上からの吸い込みバイトが多発する
いままでのルアーではその構造上、ボディ下部にフックが設けられているため、ミスバイトも多い。
ところがこのアシストフック仕様はフックが軽く自由度が高いため、フックがシーバスの口に吸い込まれてオートマチックでフッキングしてしまうのだ。

根掛かりを回避
トリプルフックにくらべてフックポイントが少ないのでボトムに触れにくい。
フォールの際にアシストシングルがボディの上にたなびくため、ノーマルのフックに比べて、ボトムに接触するまでにタイムラグが発生する。
したがって、ルアーの頭部がボトムに触れた瞬間に跳ね上げれば高確率で根掛かりを回避できるのだ。


以上のような利点のあるゼクスライド改。
これを次のように使っている。

◆ジャーク&フォール
着底後、ワンジャークして魚に気づかせてからカーブフォールでゆっくりとレベルフォールさせる。
このときシャロースライトと違い、ゆらゆらとフラつくのがこのゼクスライド改の特徴である。
これはもともとS字アクションのルアーからテールフックを外し、わざと不安定な状態を作っているため予測不能なゆらめきアクションが発生するのである。

◆ショートトゥイッチ&リトリーブ
スライトエッジでいうところの“チョンチョンリトリーブ”。
スライトエッジでは“不規則なフラッシングをともなうヒラ打ち”なのに対し、ゼクスライド改ではなんと“不規則なローリングアクション”となる。
スライトエッジとは対極をなすコンセプトで作られているのだ。
より低速なアクションに反応を示すときにぜひ試してみよう。

◆ボトムドリフト
流れがあるときに非常に有効なワザ。
リフトして流れにのせながらゆっくりカーブフォールさせると、ボトム付近を斜めに漂う
この横へのアクションがボトムにへばりつくランカーに非常に効果が高い。
流れがゆるくなってきた場合には、エギングのレベルフォールやレベルステイの要領でルアーのフォールにあわせて徐々にティップを上げていくことでフォールスピードを遅くして漂う距離を出すことができる。

◆ゴリゴリメソッド
ゼクスライド改のヘッドをボトムにあてながら早めにリトリーブ。
ボトムに触れた瞬間にイレギュラーなアクションで翻りながら、ド派手にボトムを駆け抜ける
ときおりショートトゥイッチで軽く飛び跳ねさせながら広範囲にアピール。
ある程度繰り返したら、ティップを持ち上げてスローにカーブフォールさせると、たまらずにココンとついばんでくる。
こんな時には迷わずフッキングに持ち込もう。


 
以上、ざっとではあるが最近のボトム攻略パターンについて説明させていただきました。
ハゼ、シャコ、アオヤギ、カニ、エビ・・・ボトムベイトパターンをぜひ堪能してみてください。