REPORT

ヒデはやしの部屋 Vol.7[power of lever brake]

みなさま・・・ご機嫌いかがでしょうか?
毎度おなじみのヒデはやしの部屋のお時間がやってまいりました。

さて今回の主役は・・・
あの超音速リトリーブでおなじみのレバーブレーキリールをクローズアップしていきたいと思います。

炎天下のディゲームにおいて某河口でありえないぐらいの早巻きでスライトエッジ90を引き倒す『超音速リトリーブ』

通常の3倍のスピード・・・が出ているかどうかはさておき、尋常ならざらぬそのリトリーブスピードはスレが進んだ状態でもヒットを引き起こす・・・リアクションバイト対策の定石となりつつあります。

このときに重要になるのが、バイトがあってからフッキングにいたるまでのタイムラグをいかに小さくするか・・・
実はここにヒントがあるのです。

気が遠くなるほど投げたおして、ようやく訪れた会心のバイト!!

ここで瞬時にフックアップしないと、得意のヘッドシェイクで瞬時にフックアウトしてくれるのがディゲームのシーバス君たち。
警戒心の薄らぐ夜間と違い、バリバリ明るい状況ではベイトの逃げ足も速いのは当たり前、それを上回るスピードで捕食をしなければならないのです。

ここで、ちと想像してみましょう。

超音速で駆け抜けるルアーをのんびり下から食うことは不可能。

必死に追いすがって、後方からカブりつくのが早巻きスタイルでの捕食方法です。
ゆえにテールフック付近でのバイトが多くなります。

このとき、シーバスの口の先端部分、くちばしのように骨で筋張った硬い部分にフックが刺さるのですが、触ってみるとわかりますが通常のパワーでは貫通しません。
一生懸命アワセを入れているつもりで、あっさり外れるのは口切れよりもこの貫通しないことによる浅掛かりが原因のことが多いのです。

そこでVX93MMLのようなファーストテーパーで瞬時にフッキングできるパワーロッドが必要となるのですが、それだけで安心してはいけません。

ロッドの反応速度も速い、フックもキンキンに鋭い・・・
あとは100%の芸術的なフッキングが決まるだけ・・・
と思うのはちと早いのです。

そう忘れてならないのがドラグ調整

せっかくタイミングよくフッキングを入れてもドラグが滑ってフックが貫通しないということがままあるのです。

そこで、自分はドラグをギッチギチに締めて1mmも滑らないようにしちゃいます。
こうすることで、ドラグの空スベリが消え、自分のあわせたパワーは殆どロスせずにフッキングに使われるようになるのです。

ここまではフッキングの理想論なのですが、問題はこのあと。

せっかくフッキングしたにも関わらず暴れるのが魚の宿命。
どこぞの馬鹿力王子ならともかく、普通のファイトでは手前にきて、大暴れするのは必至。

ここにきて真価を発揮するのがレバーブレーキなのです。

瞬時に握り締めることでロックがはずれ、ブレーキでベイルアームの逆回転を調整しながら、自由自在にラインの出し入れができる・・・

これにより、一旦沖に走らせて、体勢を整えてから再びテンションをかけて体力を奪う。
ドラグに頼りっきりの走らせっぱなしでなく、最短時間でのランディングを可能にする・・・
などの積極的な近接戦(ドッグファイト)スタイルこそいまの自分の好きなスタイルなのです。

たとえば・・・

○流れに乗って一気に走り出すランカーを止めたい
瞬時にレバーをゆるめてテンションを抜いてやれば魚は走るのをやめる。

○魚の向きを急激に変えたい
ギリギリまでロッドを絞り込み、急激にテンションを抜いてから、ロッドの向きを反対方向に向けてやると、頭の向きを反対にできる。

○テールフック一本のきわどいフッキングで暴れまわってるんですけど・・・。
8の形を描くようにティップを回してやると、もうひとつのフックが掛かりバレる確率はグッと下がる

○ランディング寸前で息を吹き返し、水面で大暴れ
ストッパーをオフにして、頭を下に向けさせてエラ洗いを封じる。その後距離をあけて、再度、弱らせる。

などなど・・・。

こんな、多彩なワザが繰り出せるのもレバーブレーキリールの魅力なのです。

今回はまだまだ序の口。
いずれまたもっと深い世界へご案内いたしましょう。