REPORT

井上友樹のランカー通信 Vol.1ドリペン開発秘話

みなさんこんにちは。井上友樹です。

記念すべき一回目のレポートは先日ついに発売されたドリフトペンシル110について解説してみたいと思います。

まず何故このルアーを開発しようと思ったのか?その経緯からお話しましょう。

僕のホームグラウンドは外房〜南房総。
磯を始め、サーフ、漁港、河川など様々なフィールドからシーバスゲームを楽しめます。
外房〜南房総は外洋に面したフィールドなので、東京湾の港湾部に比べればシーバスの絶対数は確実に少ないものの、コンディション抜群のランカーサイズが狙って釣れる素晴らしいフィールドです。

しかし前述したように絶対数が少ないので居着きのシーバスも少ないのが現状です。
その為、港湾部の延長感覚で狙っていても好条件が揃わない限り、ランカーサイズに出会う事が難しいのです。

その房総半島でランカーサイズのシーバスをコンスタントに狙い撃つ攻略法をずっと模索していました。そして呆れるくらいの実釣回数から僕が辿り着いた答えが「沖の潮目」と「沖の太い流れ」の攻略という二つの答えでした。

何故沖なのか?

低気圧などの影響で海が適度に荒れたり、ベイトが接岸すると警戒心から解放されたランカーシーバスが漁港内やサーフの波打ち際まで大胆に回遊してきます。そのようなシーバスに対してはミノープラグなどを使用した基本に忠実なゲームを行えば釣果を叩き出す事は難しくありません。

しかしそんな好条件に恵まれる日は実際月に2〜3日あれば良い方です。
では残りの日に釣るにはどうしたら良いのだろうか?

と試行錯誤していたところ、ランカーシーバスは沖の潮目や太い流れを回遊しているという事が分かったのです。その回遊型ランカーシーバスさえ狙い撃ち出来れば釣果はアップするはず。

そこで必要と考えたプラグが「飛距離が叩き出せ、ランカーシーバスに警戒心を抱かせないアクションを維持しつつもレンジコントロールが可能なプラグ」でした。

言い換えれば安定感が高く波が高い中でも強風の中でも違和感なく使えるシンキングペンシルが必要だったという事になります。

当時シンキングペンシルを使用し始めてから釣果が倍増したのは間違いのない事実だったのですが、外洋のフィールドでうまく扱えるようなシンキングペンシルは僕の中ではほとんどありませんでした。そこから長い開発が始まりました。

時間の許す限り、プロトのドリフトペンシルをとにかく投げ倒しました。
満足のいくプラグに仕上がるまでは世の中には絶対に出せませんから。

ランカーにも余裕で対応出来る太いフック(ST46-#3)を装着した状態で飛距離と食わせのアクションを融合させなければいけない。それに関してはわりと順調に進みました。

テスト中に90cmオーバーのマルスズキ3本を含め、80cm代を多数キャッチ。とりあえず「回遊型ランカーシーバスを狙い撃てるルアー」という最低限のノルマは達成出来たわけです。

ドリフトペンシル_プロト

しかしテストしている内にどんどん欲が出てきました。

「回遊型ランカーを狙い撃ちできるプラグ」だけで終わらせるのはもったいない

その性能を維持しつつヒラスズキや青物にも有効なシンキングペンシルに発展させたい

そして今度は磯場でのテストが始まりました。

向かい風の中でもしっかりと飛距離を出せ、サラシの中で安定感を保ち、ミノー感覚で使えながらもナチュラル感を出せるようにテストを繰り返しました。

またドリフト技術にも対応させる為にフォール姿勢を徹底追及。青物にも効果抜群である「限りなく水平に近いフォール姿勢」を求めました。

フォール時のロールフラッシングアクションを組み込めばリトリーブからフォールに至るまで、常に食わせの間を与え続ける事ができます。その結果テスト期間が長引きましたが最終的には今の僕が追い求めるシンキングペンシルとして、ほぼ理想に近い最終サンプルまで辿り着きました。

そして今年の春に最終サンプルで95cm9.55kgのモンスターヒラスズキをゲット。
長いテスト期間に終止符を打つ最高の1本との運命的な出会いでテストは終わりました。

95cm9.5kgのヒラスズキ

磯、サーフ、漁港、干潟、河川と様々なフィールドでテストをして誰が使っても使いやすく釣れるプラグに仕上がった1本だと思います。

次回のレポートはドリフトペンシルの使い方について触れてみたいと思います。