REPORT

【ニンベン修行記】Vol.43 ロッドのバランス

スタッフにニンベン仲村です。
良く「ロッドのバランス」という言葉を聞きますが、どういう事なのでしょうか?

多くの場合、それはロッドの重心の事を指しています

基本的にはロッドを握る場所と重心が一致するのが理想ですが、殆どの場合は握る場所より若干前にあります。

その重心が前すぎるとフロントヘビーと呼ばれます。

フロントヘビーは悪いイメージがありますが何が悪いのでしょうか?

ロッドを握る場所より前に重心があるときに、ロッドを握る手を緩めるとティップが下がろうとします。なのでロッドを水平に保つために、より握力を使うようになります。

握る場所が重心から離れるほど握力を使うのはもちろん、本来の重さ以上に重く感じてしまうのです。いわゆる持ち重りですね。

極論ですが、物干し竿を持つときに中心を持てば持ちやすいけど、端っこを持つと持ち上げるのは大変ですよね?それと同じ原理です。

それはキャストにおいても、より力を必要とするばかりかティップがぶれやすく、キャスト精度の低下につながります。

同様にトップウォータープラグなどの連続したロッドアクション手首や腕への負担が大きくなります。

以前、9フィートのフロントヘビーのロッドで1日トップウォーターを操作し続けたら腱鞘炎になりかけました(笑)

 

そんなフロントヘビーを改善するための手段はいくつかあります。

①リールの重さを変える
ロッドとリールで比べると大抵はリールの方が重いはずです。ロッドを握る場所≒リールの位置なので、重いリールに変えれば重心はロッドを掴む場所に近くなります。

しかし、シーソーの真ん中付近に乗っても影響が出ずらいのと同じで、よほど重くしないと劇的な改善は見込めません。

そしてリールが重くなる事で物理的な重量が増えるので、バランスは改善されても腕への負担は改善されにくいのです。

②ロッド自体のバランスを改善する
リールのない状態(ロッド単体)で重心がロッドを握る部分来るように調整できればバランスは改善されます。

これはリールシートの位置(グリップの長さ)という大きな要素のほかに、ガイドの種類、サイズ、スレッド、塗装の厚さなどでティップ側を軽量化したり、グリップエンドに重い材質を使ったりバランサーを装着することでグリップエンドを重くしたりしてバランスを調整します。

この方法は、使うリールに左右されないため理想ですが、コストが上がったり、グリップの長さによる取り回しの悪さなどの弊害が生じたりします。

と、ここまでバランスの話をしてきましたが、

 

エクリプスの最近のロッドはバランスにこだわった機種が多いんです。

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昨年発売されたオベリスクはショートロッドの軽量性グリップの延長で、ロッド自体のバランスを調整しています。

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そして5月発売のプロスタッフ岡崎氏監修のランスペック88ML
岡崎さんもレポートで紹介している通り、トルザイトリングを採用すると共に無駄な塗装を省きティップ側を軽量化しています。そしてグリップエンドにウエイトを調整できるバランサーを装着する事でバランスを改善しています。

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お使いのリールに合わせてバランサーの重量を変更してバランスを最適化すれば、先ほど例に挙げた「物干し竿の中心を持った」ような、重さが消えたような感覚になり疲れにくくなります。
当然、少ない力でキャストできますし、精度も上がる。そして連続するロッドアクションでも手首の負担が少ないんです。
ここは岡崎さんがカナリこだわった部分です

これから暖かくなるにつれ、楽しくなるデイゲームではバイブレーションの速巻き+トゥイッチ、またトップウォータープラグの連続アクションなどのメソッドが増えてきます。

ご自身のロッドのバランスに目を向けて頂くと、より快適な釣りを楽しめるはずです。
4/15日のベリーフェスタ、4/22~23のルアーフェスタin仙台でもリールを付けた状態でロッドを展示するので是非、手に取ってバランスを体感してみてください