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[テスターレポート]松本真吾Vol.22 テクニカルな川ヒラゲーム

徳島の松本です。
今回は「川ヒラゲーム」を紹介したいと思います。

 

一般的に増水すると河川の規模を問わず、吐き出し(河口)周辺でヒラスズキを釣る事が出来ます。でも増水から日が経つにつれ反応が減っていき、「増水パターン終了か?」と思ってしまうアングラーが多いようです。そんな増水から数日が経ったタイミングでもチャンスはあるんです。

増水が落ち着き始めたタイミングで、「ある条件」を満たす河川の場合、ヒラスズキは河川内に入りこんでくるんです。

 

その条件とは、
①ある程度河口部が開いている事
②潮汐の影響を大きく受ける範囲である事

河口がサンドバーなどで狭まっているとヒラスズキは河川内に遡上できません。また、河口が開けていても河口の高低差(傾斜)がきつかったりすると、海水が河川内に侵入しづらく、海水に依存するヒラスズキは入り込みにくいのです。つまり①②の条件を満たす川であれば、増水から日が経ってもヒラスズキをキャッチしやすいのです。

 

さて、そんな「川ヒラゲーム」の攻略についてお話します。

 

増水の状態にもよりますが、私のホームグラウンドの四国東南部は初日は泥濁り、二日目は笹濁り、三日目ほぼクリアーと言うのが大方の流れです。

初日はどの河川も吐き出し(河口)周辺となります!二日目からは鮎、ボラなどを求めて河川内に差して来た川ヒラが狙い目となります。

ポイントは流れのヨレ、地形のブレイク、ストラクチャー周りと、川ヒラが潜み安いスポットを狙い撃ちして行きます。

キモは直接ポイントを狙うのでなく、前回のレポートでも紹介したように「本流の流れを利用してルアーをポイントに流し込む事」です。元気よく逃げ惑うベイトでなく、ヨタヨタと瀕死の状態や無警戒のベイトを演じる事で、迷い無くヒラスズキがバイトしてきます。

 

ルアー及びカラー選択は、水の濁り度合によって波動を使い分けています。

◆増水直後
増水直後の濁りが強い時は波動が強めでしっかりアピールするルアーが高実績です。アストレイア127Fハイビートはアップクロスへのキャストや流れに漂わせるようなテンションが少ない時でもウォブリングでしっかりアピールしてくれます。また、流速に合わせて流しても暴れる過ぎずに泳いでくれるのでコントロールしやすいルアーです。魚が着くピンスポットの手前から生命感をアピールしていくと反応が良いです。

カラーはパールチャートをベースとした膨張色が基本。常夜灯や月明かりなど光量があればキャンディー系などフラッシング効果でリアクションバイトを期待するのもOKです。

 

◆二日目、三日目
水色がクリアになるにつれ、ルアーのサイズや波動を状況に合わせていかないとバイトを得にくくなります。全くバイトが無かったのに、ルアーを変えるとバイト連発と言った事もよくあります。

水質がクリアになってくるとハイアピールではなく、無警戒のベイトをピンスポットへと流し込むアプローチが有効になってくるので、波動が小さくナチュラルなアクションドリフトペンシル11090ランドラゴ120F90Fがお勧めです。

カラーは、ボラ系のナチュラルカラーや、光量が多ければクリアー系など使用しシルエットを小さく見せるのも効果があります。

 

水がクリアな時に注意したいのが、無闇にキャストしないこと!
増水の影響が少なくなっていくにつれヒラスズキ達の活性も低くなります。そんな状況で無闇にキャストしてしまうとプレッシャーが掛かって逃げてしまったり、ルアーに反応しなくなってしまいます。

では、どういったタイミングでキャストすれば良いか?ズバリ!「流れが速くなった直後」です。川の流れに潮の干満が影響し、流れが緩んだり走ったりと目まぐるしく流速が変化します。ヒラスズキ達は、流れが速くなってベイト達が押し流されるタイミングで捕食しているのです。流れを良く観察し、無駄打ちしてヒラスズキの警戒心を高めないようにすることも釣果を上げるコツになります。

 

これから秋が深まるにつれ、川ヒラゲームが本格的になって来ます。

ヒットした川ヒラがエラ洗いを連発し、流心に乗って突っ走る姿はまさしく青物級! 

皆さんも一度チャレンジしてください!